貴方の見ているドメインは
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「大きいとも、こんなのを見たのは久し振りだ」
控へ目に坐つて、注いだ茶碗を盆の上に揃へると、
来客の間にほつと寛くつろいだ空気が流れ、直造が袴をさばいて立ち上らうとした時だつた。
「どうしなさつた」
――「それでは、わしの方からお礼を云はなきあならんのです。どうぞ、よろしく願ひますわ」
「鮒?――それあ喰べるとも」
「さやうさ。当今では大分世智辛せちがらくなりましてな。薬価の代りに畑の物を貰つてすませる位のことはさう珍しくはありませんよ」
「どうして又今まで黙つていたのかね」
盛子は時々半ば無意識に呟いた。
「あれなら、私の方からいゝやうにしときます」
房一は急いで膿盆をひきよせた。
「さうよ。てめえはその大将だらう」
と気のない返事をした。